ランニングマシンはダイエットに効果がない?効果的な使い方を解説
ランニングマシンはダイエットに効果がないという噂もありますが、そんなことはありません。
効率的に運動を行えば、ランニングマシンでも十分なダイエット効果は期待できます。
そこで本記事では、ダイエット効果を高めるためのランニングマシンの効果的な使い方について解説します。
これからランニングマシンを使ってダイエットをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.ランニングマシンはダイエットに効果がない?
ランニングマシンにダイエット効果は期待できますが、ただ走るだけでは簡単には痩せません。
ランニングマシンの速度や強度を調整することで、効率良く運動することが大切です。
合わせて、運動だけでなく適切な食事制限を組み合わせることが望ましいです。
まずは、ランニングマシンの運動だけで消費できるカロリーを確認していきましょう。
ランニングマシンの運動で消費できるカロリー
ランニングマシンの運動で消費できるカロリーは、METs(メッツ)を基準にすることで計算できます。
メッツは、代謝当量(Metabolic
equivalents)の略です。安静時を1として、その何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示した「運動強度の単位」を指します。
メッツを用い、消費カロリーは次のように計算できます。
消費カロリー=METs×体重(kg)×運動時間(時間)×1.05
メッツの目安は次の通りです。
- 散歩:2.0
- ウォーキング:3.5
- ランニング:7.0
例えば、体重60㎏の人が20分間ランニングマシンでウォーキングをした場合の消費カロリーは次のように計算されます。
3.5METs×60kg×0.33(時間)×1.05=72.76kcal
メッツを活用して、運動時の消費カロリーを計算してみましょう。
参考1:メッツ / METs |
e-ヘルスネット(厚生労働省)
参考2:改訂版 『身体活動のメッツ(METs)表』(国立研究開発法人
医薬基盤・健康・栄養研究所)
その他の有酸素運動とのランニングマシンの消費カロリーの比較
ランニングマシンでのウォーキングやランニングと、フィットネスバイクおよび水泳の消費カロリーを比較してみましょう。
種類/時間 | 10分 | 45分 | 1時間 |
---|---|---|---|
ウォーキング | 35.28 kcal | 165.37 kcal | 220.5 kcal |
ランニング (139m/分) |
83.66 kcal | 392.17 kcal | 522.9 kcal |
フィットネスバイク | 48.38 kcal | 226.8 kcal | 302.4 kcal |
水泳 (クロール・69m/分) |
100.8 kcal | 472.5 kcal | 630 kcal |
※体重60kgの人の場合
同じマシン運動であるフィットネスバイクと比較すると、消費カロリーの大きさは
ランニング>フィットネスバイク>ウォーキング
となります。ある程度の体力がある方は、ランニングマシンでのランニングでカロリーを消費するのが良いでしょう。
最も消費カロリーが多い運動は水泳です。水泳は水の抵抗を受けながら運動するため、ダイエットにおいて優れた有酸素運動と言われています。
ただし、水泳はプール施設まで出向かないと行えません。そもそも近所にプール施設がないこともあるでしょう。
室内で手軽にできる点を考慮すると、ランニングマシンはダイエットに適したツールと言えます。
2.ダイエットの効果を高めるランニングマシンの使い方のコツ
ランニングマシンは、使い方を工夫することでダイエット効果を高められます。具体的には、次の4つのコツを押さえておきましょう。
- 傾斜を付ける
- 速度を上げる
- 運動強度を管理する
- 筋トレの後に使用する
それぞれ詳しく解説していきます。
傾斜を付ける
ランニングマシンの傾斜を設定すると上り坂での運動を再現できるため、ウォーキングやランニングの負荷を上げられます。
運動初心者でランニングマシンの速度を上げるのが不安な場合でも、傾斜を上げるだけなら安全に消費カロリーを高められるでしょう。
最適な傾斜の角度は、脚力などによって変わってきます。傾斜を少しずつ上げながら、やや負荷がかかる程度になるよう調整しながら角度を決めていきましょう。
速度を上げる
ランニングマシンの速度を上げると運動量が増え、消費カロリーを高められます。ランニングマシンは実際に外を走ったり歩いたりするのとは違い、最適な速度をキープしやすい点がメリットです。
ここで気をつけたいのは、速度を上げ過ぎないことです。速度を上げ過ぎると、有酸素運動から無酸素運動になってしまう恐れがあります。
無酸素運動とは、酸素を体内に取り込まず負荷の強い動きを短時間続ける運動のことです。無酸素運動中は糖分の燃焼が優先されるため、脂肪が燃えにくくなります。
有酸素運動を維持するためにも、息切れを起こさない程度の速度に留めましょう。
また、急に速度を上げると怪我につながる恐れもあるため、少しずつ速度を調整することが大切です。
運動強度を管理する
ランニングマシンのダイエット効果を高めるためには、運動強度を管理することも大切です。
運動強度は、運動中の心拍数で管理します。
ダイエットを目的とする場合、「カルボーネン法」を使って次のように目標心拍数を計算してみましょう。
運動中の目標心拍数=(220-年齢-安静時心拍数)×40~60%+安静時心拍数
※安静時心拍数:運動などをしていないときの心拍数
例:30歳で安静時心拍数70の場合
(220-30-70)×40~60%+70=118~142
→118〜142拍となるような負荷で運動するのが理想
最近のランニングマシンは心拍数を測れるモデルが多いので、まずは上記の式で自分の目標心拍数を把握し、
運動中にチェックするようにしましょう。または、心拍数を測定できるスマートウォッチを利用するのもおすすめです。
筋トレの後に使用する
ランニングマシンを始める前に筋トレをすると、脂肪燃焼の効率がアップします。筋トレ後は成長ホルモンが分泌され、一時的に脂肪を燃焼しやすい状態となるからです。
また、筋トレも並行して実施することで、筋肉を落とさずに脂肪を燃焼させられます。リバウンド防止にもつながるでしょう。
筋トレのレベルは、軽めでも大丈夫です。腹筋・背筋などの大きな筋肉を、10〜15分程度トレーニングするのが良いでしょう。
むしろ激しい筋トレをしてしまうと、疲れてランニングマシンで運動する体力がなくなってしまう恐れもあります。
軽く汗ばむ程度の筋トレを、ランニングマシンの前に挟んでみましょう。
3.ダイエットに効果的なランニングマシンの速度と時間の設定
ランニングマシンでのダイエット効果を上げるには、速度と時間を適切に設定する必要があります。
ここでは、ダイエットに効果的なランニングマシンの速度と時間の設定を紹介します。
ダイエットのためのランニングマシンの速度
ランニングマシンでダイエットする場合は、ウォーキングであれば4km/時程度、ランニングであれば8km/時程度を目安としましょう。
ランニングをする場合も、最初はウォーキングからスタートするのがおすすめです。
いきなり速度を上げると怪我につながる恐れもあるので、ウォーキングで体を温め、徐々に速度を上げていきます。
また、ランニングを終了する際はいきなりランニングマシンを止めるのではなく、徐々に速度を落としていきましょう。
いきなり走るのをやめると筋肉に負担がかかるため、速度を落として軽いウォーキングへと移行していくのが望ましいです。
ダイエットのためのランニングマシンの運動時間
ランニングマシンでの運動は、20分以上は継続するのが望ましいです。あまりに短い時間だと消費カロリーが少なく、なかなかダイエットにつながりません。
ただし、50分以上の連続した有酸素運動は筋肉の分解につながる恐れがあります。1回の運動は、長くても45分程度に留めましょう。
まとまった運動時間を確保できない方は、運動時間を分割するのもおすすめです。例えば朝10分、帰宅後10分、食後に休憩を挟んでから10分といった具合で、少しずつ運動します。
毎日の積み重ねで、少しずつ脂肪を燃焼していきましょう。
4.ランニングマシンを使ってダイエットをするときの注意点
ランニングマシンを正しく使わないと、効率的にダイエットができないだけでなく、最悪の場合は怪我をしてしまう恐れもあります。
ランニングマシンを使ってダイエットするときの注意点は、主に以下の3つです。
- ダイエットするなら食事制限も一緒に行う
- 使用する前後でウォーミングアップとクールダウンを行う
- 最初は軽い負荷から始める
それぞれ詳しく解説していきます。
無理のない強度で継続する
ダイエットを目的にランニングマシンで運動するのであれば、食事制限も一緒に行うとより効果的です。
ダイエットで痩せる仕組みは、摂取カロリーよりも消費カロリーが高い状態を作ることです。
ランニングマシンで消費カロリーを増やし、食事制限で摂取カロリーを減らしましょう。
参考までに、厚生労働省が推奨する1日の摂取カロリーの目安は次のとおりです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
18〜29歳 | 2,650kcal/日 | 2,000kcal/日 |
30〜49歳 | 2,700kcal/日 | 2,050kcal/日 |
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
※身体活動レベル「ふつう」の場合
上記の摂取カロリーを大幅に超える場合は食べ過ぎとなり、ランニングマシンで運動してもなかなか痩せない恐れもあるため注意しましょう。
ただし、過度な食事制限は禁物です。栄養バランスが偏ると、体調を崩してしまう恐れもあります。
カロリーを計算しつつも栄養バランスを考え、健康的にダイエットを行いましょう。
使用する前後でウォーミングアップとクールダウンを行う
ランニングマシンを使用する前後では、必ずウォーミングアップとクールダウンを行いましょう。
いきなり体を動かすと、筋肉が温まっていないため怪我につながる恐れがあります。まずは準備運動をして、軽いウォーキングから運動を始めましょう。
またクールダウンを行わないと、運動の疲れが残りやすくなります。運動後はすぐに動きを止めるのではなく、徐々に速度を落として軽いウォーキングへと移行しましょう。
その後、軽いストレッチで運動を終えるのが望ましいです。
ウォーミングアップとクールダウンを取り入れ、安全にランニングマシンでの運動を続けましょう。
最初は軽い負荷から始める
特に運動に慣れていない方は、軽い負荷からランニングマシンでの運動を始めましょう。
いきなり大きな負荷をかけると、運動が続かないどころか、筋肉を痛めてしまう恐れがあります。また、ランニングマシンの速度についていけず、転倒してしまう危険性も。
ランニングマシンは軽い負荷でも、継続すればきちんと脂肪燃焼につながります。焦らず軽い負荷から始めましょう。
5.ランニングマシンで効率的にダイエットを
ランニングマシンを効率的に使えば、ダイエット効果を高められます。具体的には、以下のようなコツを踏まえて運動を続けましょう。
- 傾斜を付ける
- 速度を上げる
- 運動強度を管理する
- 筋トレの後に使用する
ただし、ダイエットを意識するあまり、無理に負荷を上げるのは厳禁です。 ゆっくり走るだけでもダイエット効果は期待できるので、無理のないペースで続けましょう。